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介護福祉士 [Wessay]

介護福祉士のアンケートで感じたこと

介護福祉士国家資格取得者約47万人の内、実際に従事している方は約27万人であることは
ニュースや記事にもなったので周知の現実だと思う。
看護士と同様、介護福祉士も現場では不足しているというのに20万人もの方が従事されていない。

その主たる要因のひとつとして、「処遇の低さ」と「仕事の大変さ」があるとも報じられていた。
想像に難くないなぁと思ったと同時に忸怩たる気持ちが湧き上がってきたものである。
しかし更に意外な事実を昨日知った。

とある学会に出席し、「介護老人福祉施設 運営上の問題と今後の課題」という研究発表を聞いた。
その中で、首都圏10施設の職員117名に対するアンケート結果が報告された。
さらにその内、特に興味深いアンケート結果があった。

「やめたいと感じたことがあるか」の問いに対して約90%の方が「はい」と答えていた。
まぁ、これもさもありなんという感じだ。
ところが「どのような時にやめたいと感じたか」の問いに対する答えが次のとおりだったのだ。

・職員との関係 18名
・自分の能力のなさの痛感 18名
・理想と現実のギャップ 15名
・入所者との関係 14名
・待遇の悪さ 13名

お気付きだろうか。
当然、上位には所謂「3K」が入ってくるものと思っていたのだが、全くないのだ。
(少なくとも「きつい」「汚い」「危険」というキーワードあるいは類似語は見当たらない)
学会の趣旨に沿わない質問だとは思ったが発表者に質問してしまった。

「3Kが入らなかったことについてどうお考えですか?」
答えはこうだった。
「それらの事については資格を取る際にある程度みなさん覚悟しているからではないでしょうか。
ただ、被介護者を抱えるなどの重労働の過酷さやそれらによる腰痛などの疾患に悩む方は多い。
それと認知症の方などから罵倒されることで心理的ダメージを受ける方も多い。」

つまり、覚悟はしていても想像以上に過酷であるという現実はあるようである。
しかし、腰痛などの疾患によりやむを得ない場合を除き、それは「やめる」という決断に直結するわけではない。
やはり最大の原因は処遇の低さ(割りの合わなさ)と被介護者も含めた対人関係にあるようだ。

介護保険制度が施行される以前に行政がサービスしていた時代(措置の時代)の方が良かった
のではないかとも思う、と発表者も語っていた。。。

ということで昨日、たまたま見事に咲いたアマリリスを眺めながら、のん気に国政を憂えていたのである。
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定額給付金や1000円乗り放題など、正に一時の施策で浮かれている場合じゃないよ。


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