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"Wessay"とはWeb Essayを約めたオリジナルの造語です。

東北ツーリング2010 (1) [Wessay]

~ 陸奥(みちのく)を目指してみたゼヨ ~

遠足の前夜の子どものように、わくわくして眠れないということはさすがにもうなくなってしまったのに、とくに目覚ましはかけてなかったが、ふと目を開けると午前3時半。
「まだ早いな、うとうとしよう」と思って、うとうとし、次に目を開けたら4時を少し過ぎていた。
ここで「支度していたらすぐ5時になるぞ」と考え方を変えるところが子どもと違うところゼヨ。

前日に一応荷造りはしてあったので、再確認作業と着替えさえすればいい。
ただ今回のツーリングで絶対に忘れてならないものは、手拭いとサンダル。
あとは替えの下着と合羽とカメラがあれば問題ないゼ。

窓の外の未明の空は曇り。昨日は真夏日だったが今日は夏日にもならないらしい。
少し迷ったが夏用のライディングジャケットとパンツを選択した。
ただし、中には薄い生地のトレパンと長袖シャツを着込んだガヨ。

新聞がまだきてなかったので、ネットで行き先各地の天気予報や天気図を確認したり、ルートの再確認ついでに要所の観光スポットなどを見ていたら、もう5時を過ぎちょった。
(ちなみに高速・有料道路はなるべく使わない予定なガヨ)


バイクのエンジンをかけて暖機しながら、荷物をリアシートに固定して準備完了。
いよいよ明るくなりはじめた午前5時半、愛車X4発進!
目指すは岩手ゼヨ。(きわめてざっくりとした目的地である 笑)

出発早々であるが自分のガソリンタンクがエンプティーゆえ、幕張PAへ入る。
営業は6時からなのでまだ食堂などはやっていないが、コンビニは開いていたのでパンをひとつ補給した。
これでほんとに準備万端、あとはひたすら走るだけ。午前6時、再出発ゼヨ。

高速道路なのだが、先は長いので、制限時速よりも少し遅いスピードでゆっくり走る。
そもそも体力温存のために、初っ端は高速道路で距離を稼ぐ作戦だったのに・・・

東関東自動車道に入るといきなり降りだした。予想よりも早く天気はくずれたのじゃった。
2010_09_23 1.jpg
橋の下の路肩に停車して合羽を着用し、再々出発ゼヨゼヨ。


終点の潮来からは51号線に乗り、鹿島スタジアムの前をとおって太平洋側へでる。
小降りの雨の中、そのまま(海は見えないが)海沿いをひた走る。
まだ朝も早いためか自家用車は少なく、順調、順調。


大洗を過ぎて、大串町というところで緑色の有料道路標識が目に入る。
「東水戸道路 無料化実験中」と書いてあったのじゃった。
路肩に停車して地図を確認。(ちなみに今回はナビもないガヨ)
2010_09_23 2.jpg
これに乗れば、日立市方面245号線へショートカットできることが判明。行くべし。
乗ってみてわかったが、終点まで行くと有料。ひとつ手前の「ひたちなか」で降りれば無料。降りるべし。

ところが・・気分よく出口に向かうと、料金所では大勢のポリスメンが検問しよったガヨ!
どうやらシートベルトの検問だったようでバイクは見向きもされなかったけど、いくら交通安全運動期間中とはいえ、無料出口で待ち伏せって・・・一体何の”実験”じゃーっ!!
(写真はあえて撮りませんでした)


東海村を過ぎて日立市に入り、午前8時半。今度はバイクに朝ごはんをあげなければ。
首都圏では見かけなくなったけど、茨城県内では目に付く”キグナス”があったので入る。単価127円。
満タンにして代金を払って、ついでにトイレを借りて、さあ出発。イグニッションをオン。

ん?ランプが何も点かない。ニュートラルの緑もオイル警告の赤も。もちろんヘッドライトも。
バッテリーあがり?いやいやこんな急にあがることはないでしょ。セル押しても全く無反応だし。
あ、キルスイッチに触ったか?いやいやオンになっている。

えーっ何が起きたのだー、とパニックになりかけたがそこはぐっと堪えて冷静に。
接触不良を疑って、何度か車体を揺さぶって、メインキーのオフオンを繰り返す。
すると一瞬だけランプが点いた。でも、すぐ消えたので始動はできず。
イグニッション自体が壊れたとすると、押しがけしてもウィンカーも点かないのであれば走行できない。

これは手に負えないと思って、店員さんに電話帳を借りてバイク屋を探すことにした。
バイクのトラブル受付の番号が日立市内のエリアを分割して2つ載ってたので、店員さんに
「ここはどっちのエリアに入るんですかね。」
「えーと、住所は水木町なんでこっちじゃないかと思いますが、バイク屋さんだとそこに一軒ありますよ。」
指差す方向は国道の向かい側、キグナスの真正面。自転車屋さん”旭輪業”の看板が光り輝いちょった。
「じゃあダメモトであそこに架けてみます。」
「今日は旗日だし、朝早いからやってないと思いますがね」
という、のんびりした茨城弁の店員の意見は聞き流した。

電話にはおばあちゃんがでた。
「バイクの修理をお願いしたいのですが・・」
「大きいバイクですかぁ?」
「えー、まぁ大きいです。」
「ちょっと待ってください、今代わりますから・・」
しばらく保留音を聞きながら、「小さいバイクというのはひょっとしておばあちゃんにとって自転車を意味するのか?」などとあれこれくだらないことを考えていられるほど待って、やっと店主(ばあちゃんの息子)らしき人がでた。

「イグニッションがオンにならないんですよ、キーは回るんですが。」
「バイクの修理はお預かりになりますが。」
「いやー、実は千葉から来てまして、動かないと困るんです。」
「でもねー、これから引き取りには行けないので、店まで持ってきてもらわないと。」
「今、そちらの店の向かいのガソリンスタンドからかけているんですよ。」
「あらそうですか、じゃあみてみますから持ってきてください。」

国道を横切って、坂道をほんの30メートルほど下ったところに店はあったので、重いX4でも楽勝でたどり着いた。
よくある、町の自転車屋さんに入り、店の奥の台所のような部屋に向かって声をかけると、くだんのおばあちゃんがでてきた。
「まあまあ、いらっしゃいませ。どうぞお掛けください。」
と店内の椅子をすすめられたが、とてもゆっくり世間話をする気分じゃないゼヨ。
「朝早くからすみませんが、あのバイクをみてもらえないでしょうか。」
「ちょっと待ってくださいね。おーい、さっきの電話の人、もう来たよー。」

こっちの逼迫感が伝わったのか、おばあちゃんは椅子から立ち上がって家の奥にひっこんでいった。
それからしばらくして、階段を下りてくる人の気配がして、起きぬけと思われる作業着姿の息子が現れた。

息子の頭も光り輝いちょった。


つづく


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ごろすけ

続きを楽しみにしています(^^♪
by ごろすけ (2010-09-27 21:06) 

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